第7回『森って楽しい』

第7回『森って楽しい』

檜原村に、また新しい季節が巡ってきました。
山々が萌黄色に染まり、春の呼吸が聞こえてくるこの時期、
私は改めて、目の前に広がる森を見つめています。

このコラムの根底にあるのは、
「全てのものに価値がある」という想いです。

けれど現実を直視すれば、
今の日本の森が置かれている状況は、
決して明るいものばかりではありません。



戦後、私たちの先人たちが未来を託して植えた
スギやヒノキといった針葉樹は、今、
その市場価値が大きく下落しています。

手入れが行き届かず、価値がないものとして
放置されてしまう森。それは、この村の、そして日本の
「資産」が眠ったままになっている姿でもあります。

「価値がない」と言われてしまったものに、どう光を当てるか。
そこで私たちが辿り着いたのが、ひのはらファクトリーの「挑戦」です。



建材としての価値が下がってしまったのなら、
その「命」を別の形で輝かせればいい。
私たちは、木を削り、蒸留し、世界で初めての「木の酒」や、
心身を整える「ミスト」へと形を変えました。

木が、ただの「モノ」ではなく、人を癒やし、
驚かせ、明日を生きるエネルギーを与える「体験」に変わる。
そのプロセスは、実は、苦しさよりも「楽しさ」に満ちています。

誰も見向きもしなかった端材から、誰かを唸らせる一滴が生まれる。
その「化け方」を想像すること。
既存の価値観を壊し、新しい「納得」を創り上げること。

森は、ただ静かにそこに在るだけではありません。
私たちの創意工夫次第で、無限のワクワクを生み出してくれる、
世界で一番大きな創造の場なのです。



森に価値を戻すことは、
私たちが「自由」を取り戻すことでもあります。
誰かが決めた「価値」という物差しから解き放たれ、
自分たちの手で未来をデザインしていく。

誰が何と言おうと、世の中がどう変わろうと。
森から生まれるこの一滴が、誰かの心に「余白」を作り、
自由な空へと羽ばたく翼になる。



檜原村には、この森の価値を届けようと
心血を注ぎ、走り続けている先人がいます。

ツバメが自由に空を駆けるように。
檜原の物語は、これまでも、これからも受け継がれます。

ひのはらファクトリーも、先人と森と共に、
自由で、楽しい未来を歩みます。



この森の豊かさを、あなたの心身の資産に。

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